ベジコラボOkinawaのメンバーブログへようこそ!
代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、このメンバーブログを通じて、一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。
先月のブログでご紹介した沖縄産の食用菊。
念願の畑見学に行ってまいりました!
沖縄市に7戸ある生産者さんのうち、お伺いしたのは、ご両親の後を継いで二代目として奮闘中の女性生産者である又吉さんの圃場です。
当日は、沖縄市に食用菊が導入された当初から栽培を担ってきた高江洲さんをはじめとする生産者さん、JAの担当者の皆さんもお越しくださって、じっくりとお話を聞くことができました。
沖縄市で食用菊の試験栽培が始まったのは1994年のこと。
山形県産や新潟県産など県外の食用菊の出荷は5月から12月に限られるため、1月から4月まで出荷できる温暖な産地が求められていたのだそうです。
30近い品種の菊を集め、食味や食感がすぐれているのはもちろん、気温や日照時間、土壌との相性など、沖縄での栽培に適したものを選び、いよいよ翌1995年から2戸の生産者さんが本格的に栽培を始まりました。
又吉さんがご両親、弟さんと営むハウスは計14棟。
1棟のハウスで約8000本の食用菊が栽培されています。
ハウスに足を踏み入れると、目の前に広がるのは、まさにお花畑!
一面に広がる黄色の花に目を奪われ、さわやかな菊の香りに包まれて、テンションМAXです!!
「指の間に茎を挟み、手のひらで花を包んで、優しくひねると、簡単に花が摘めるんですよ」と又吉さん。
9月に植えつけた苗を大切に育て、自然光に電照をプラスすることで開花日を調整し、12月20日から4月20日までの出荷シーズンには毎日、花を収穫するといいます。
現在、主に生産しているのは以下の3品種で、試験的に栽培している新品種もありました。
「秀芳の寿」
黄色の大菊。大きなものは直径10センチ近くになります。花びら1枚1枚が筒状に曲線を描き、全体がこんもりと盛り上がり、立体的で非常に美しい品種です。
「沖縄1号」
黄色の大菊。大きなものは直径10センチ近くになります。「秀芳の寿」よりも花びらが平べったく、全体もやや平たいが、香りは「秀芳の寿」よりも強く、沖縄の野菜ソムリエ仲間で料理研究家の新崎亜子さんが開発した琉球薬膳華茶「菊花茶」の原材料にも使用されています。
「美吉野(みよしの)」
赤紫色の大菊。大きなものは直径10センチ近くになります。全体に立体的で、華やかで美しい姿の品種です。栽培時から出荷直後は濃く鮮やかな赤紫色をしていますが、収穫後、時間とともに色が薄く変化してきます。
ちなみに、食用菊は、観賞用とは別に食用としての品種があるわけではなく、数ある菊の中から、苦味が少なく食味や食感にすぐれたものを選び、厳しい基準のもとに農薬の使用を最小限に控えて栽培するそうです。
以上、沖縄市内の食用菊の生産現場からのリポートでした!
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
次回はこの食用菊を使った料理の数々をご紹介しますので、どうぞお楽しみに!