ベジコラボOkinawaのメンバーブログへようこそ!
代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、
このメンバーブログを通じて、
一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。
7月のある日、野菜ソムリエ上級プロ仲間の津波真澄さんから、
「生産者さん応援企画で無冠芽のゴールドバレルを買いませんか?」と連絡が届きました。
詳しく聞いてみると、その生産者さんは、なんと9年前に地元紙の取材でお伺いした福島敬之さんでした。
ゴールドバレルといえば、地元でも1玉数千円はする、沖縄産パインの中でも最高峰といわれる品種。
ゴールドバレルはなぜそんなにスゴイのでしょうか。
まずは糖度がずば抜けて高いこと。
あのとろける甘さのマンゴーの糖度が12~15度といわれています。
一方、ゴールドバレルの糖度は16~18度!中には18度を超えるものすらあります。
しかも、酸味が控えめで、舌がピリピリする感じもなく、繊維がきめ細やかで、歯に繊維が挟まることもなく、芯まで美味しく食べられるのです。
続いては、その大きさです。
ピーチパインが600g~800g、ボゴールパインが700g~1kg、ハワイ種が1kg~1.5kgであるのに比べ、ゴールドバレルは1.3kg~2.8kgと非常に大きく育ちます。
パインは長く伸びた1本の花茎の頭に結実するのですが、大玉のゴールドバレルは栽培がとても難しいといいます。
さらには、その希少性にあります。
栽培に技術を要するうえに、他の品種が2年に1回は収穫できるのに対し、ゴールドバレルは3~4年に一度しか収穫できません。
そのため、国内生産量のわずか1%しかない希少な品種なのです。
希少なゴールドバレルの中でも、この品種の栽培のパイオニアである玉城忠男さんが手がけたものは「タダオゴールド」と名付けられ、1玉5000円から1万円の値が付きます。
その玉城さんこそ、実は今回の福島さんの義父にあたる方なのです。
タダオゴールドに魅せられた福島さんは、義父の玉城さんに指導を仰ぎながら、パイン一筋の日々を送ってきました。
そんな福島さんが育てたゴールドバレルは、すぐれた品質ととびきりの美味しさで人気を博しています。
ところが、このゴールドバレルという品種は、なかなかの気難し屋さん。
栽培している中で、パインの実の上部に生える冠芽がツインテールのように2本になってしまったり、冠芽が生えないものもできてしまうのだとか。
冠芽が2本のものは出荷できますが、無冠芽のものは出荷が難しいのだそうです。
手塩にかけて大切に育て、無冠芽でも味にも品質にもまったく遜色がないにもかかわらず…。
それを知った野菜ソムリエ上級プロの津波真澄さんが、沖縄の野菜ソムリエ仲間に声かけしてくれたのです。
さっそく私も福島さんに連絡し、無冠芽のゴールドバレルを購入させていただきました。
届いたものは、冠芽の無い実の部分だけでも2kgを超える立派なものばかり!
無冠芽のパインは私も初めて見ましたが、写真のような感じで、確かに葉がありません。
ですが、捨てる葉が無いので、ゴミが増えず、市場に出回ってくれるものなら、ぜひ私は無冠芽を買いたいと思いました。
そして、穫れたて直送ですから、切り口もみずみずしく新鮮です。
ちなみに、パインは追熟しないフルーツなので、購入の際は切り口が新鮮で、甘い香りがするものを選び、早めに食べるのがおすすめです。
今回のパインも「5日以内にお召し上がりください」と福島さんからのメッセージが添えられていました。
さっそくカットしてみると、まるで蜜入りりんごのような断面!
部屋中に甘くフレッシュなパインの香りが広がり、気分が盛り上がります。
ワクワクしながら頬張ると、甘くジューシーな果汁が口の中にあふれ、噛むほどに美味しさが広がります。
たくさん食べても舌がピリピリしないので、いくらでも食べられてしまう、黄金色の魔法~!!
沖縄産パインはどれも美味しいけれど、やっぱりゴールドバレルは別格ですね。
今年の福島さんのゴールドバレルは、先日、収穫が終わったそうです。
このブログを読んで、食べたくなってしまったアナタ、本当にゴメンナサイ!
来年こそは沖縄でゴールドバレルを探して、思いきり楽しんでくださいませね。