野菜ソムリエ上級プロ堀基子の「グローバルGAP取得の畑で育つ沖縄産レタス」

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代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、このメンバーブログを通じて、一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。

毎年ゴールデンウイーク明け頃から梅雨を迎える沖縄では、春分を過ぎて梅雨に入るまでの「うりずん(若夏)」と呼ばれる今が、もっとも心地よい季節。
日中は半袖で過ごせるほど気温が上がり、あちこちのビーチで海開きが始まっています。

そして、季節のうつろいとともに、畑の作物も、旬の走りから、旬の盛り、旬の名残りへと変化してゆきます。
春の終わりとともに沖縄で旬の名残りを迎える野菜のひとつが露地栽培の玉レタスです。
沖縄を代表する人気メニュー「タコライス」にもたっぷり使われる玉レタスは、生のまま食べるだけではなく、豚足を煮込んだ「てびち汁」などの沖縄料理の汁物の具材としてもよく使われています。
高原レタスで名高い長野県などで生産される玉レタスは夏が旬であるのに対し、11月から梅雨前までの時期に生産される沖縄産の玉レタスは、冬場に貴重な露地ものとして人気を博しています。

今回ご紹介するのは、沖縄本島南部の南城市にある農業法人(有)沖縄ファームさんの玉レタス畑です。
この圃場は、なんと沖縄県初のグローバルGAPを取得しており、県外からも多くの方が視察に訪れているのだそうです。

グローバルGAPの「GAP」とは、「GOOD(適正な)」、「AGRICULTURAL(農業の)」、「PRACTICES(実践)」を意味し、農業における食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みを、認証機関による第三者認証で厳しく審査し認証する制度です。
日本におけるGAPは、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる日本発の認証制度による「JGAP」、アジア共通の GAP のとして位置づけられる「ASIAGAP」、そして世界 120 カ国以上に普及している国際基準の「グローバルGAP」があります。
中でももっとも厳しい基準が設けられているのがグローバルGAPで、たとえばVersion5 の野菜・果樹認証における管理点は 218項目に及び、食品安全99項目、トレーサビリティ22項目、作業従事者の労働安全と健康28項目、環境(生物多様性を含む)69項目となっているのだとか。
オリンピックやパラリンピックの会場で選手に提供される食材の農産物はGAP認証が条件となっていますし、欧米ではもちろん近年では日本の小売や大手飲食チェーンなどでもグローバルGAPを取得した生産者からの仕入れが優先されるといいます。
いわば、グローバルGAPとは、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した持続的な生産活動を実践している優良な生産者にのみに与えられる、世界水準の証なのです。

さて、実際に沖縄ファームさんの玉レタス畑を訪れてみると、まずはその整然とした清潔さに驚きます。
グローバルGAPにおいては、農業資材や農薬の取扱い、肥料の保存と使用管理などにも厳しい基準があり、畑でそれがしっかりと実践されているからです。
収穫したレタスの取り扱いについても、同様に厳しい基準で、農薬や肥料、汚水などの汚染から守られていることがよく分かります。

朝の太陽の光を浴びて収穫される沖縄ファームさんの朝採りの玉レタスは、鮮度を保ったまま那覇市内にある兄弟会社の農業法人(有)グリーンフィールドの工場へ運ばれ、カット野菜やサラダの材料などに加工されてスーパーやコンビニに並ぶ他、おなじみのハンバーガー、ピザチェーン、フライドチキンなどの有名チェーン店で使用されているそうです。
皆さんも知らないうちに召し上がっているかもしれませんよ!

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