野菜ソムリエ上級プロ堀基子の「沖縄在来柑橘類と日本一早い桜」

ベジコラボOkinawaのメンバーブログへようこそ!
代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、
このメンバーブログを通じて、
一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。

沖縄では秋から冬にかけて、様々な柑橘類が旬を迎えます。
とりわけ柑橘類の特産地として知られているのが、
沖縄本島北部にある本部町の伊豆味地区です。
先日、伊豆味の「みかんの里」を訪れてみたら、
それはバラエティ豊かな柑橘類が出迎えてくれました。

まずは沖縄在来種のカーブチーです。
皮(カー)が分厚い(ブチー)がその名の由来といわれ、
琉球国王への献上品としても栽培されていたといいます。
以前このブログで大城しま子さんも書いていましたが、
このカーブチーも運動会みかんとして親しまれてきました。
酸味が少なく、爽やかな香りで、今も地元で愛されています。

オートーも同じく沖縄在来種で、オートゥーとも呼ばれます。
青くても食べられる青唐九年母の名から青唐が残って訛ったとも、
黄橙が名の由来ともいわれています。
見た目はカーブチーに似ていますが、皮は薄く、
酸味が強いため、シークヮーサーように使うのもおすすめです。

タルガヨーはカーブチーとオートーの交配種といわれ、
カーブチーでもオートーでもないことから
「誰かなぁ?」「何かなぁ?」という意で名付けられたのだとか。
皮はカーブチーよりも薄く、オートーよりは厚く、
カーブチーと同様に酸味が少なく、スッキリとした美味しさです。

クガニーは「黄金」を意味する名前で、
完熟シークヮーサー、フルーツシークヮーサーとも呼ばれます。
夏には青切りの果実をレモンのように使いますが、
完熟する12月から1月にかけてはグッと甘みが増し、
生のまま美味しく食べられるようになります。

今年7月の沖縄科学技術大学院大学の発表によると、
東アジアとアジア大陸のみかん科の品種をゲノム解析した結果、
すべてのシークヮーサーが、非常に特殊な琉球の品種と、
アジア大陸の品種の交配種であることが発見されたそうです。
数万年前に琉球列島へ運ばれ、誕生したというシークヮーサーの歴史。
果てしない浪漫を感じますね。

「みかんの里」からほど近い日本一早い桜の名所「八重岳」へ足を伸ばしてみたら、
気の早い緋寒桜が咲き始めていました。
コロナ禍で厳しい年が続きましたが、
来たる新年が皆様にとって実り豊かで健やかな年となりますように。

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