昨日は中秋の名月でしたね。
沖縄(那覇)は残念ながら時折雨も降る曇り空で、お月様も見え隠れ。
しかしせっかくの十五夜なので、昨日は沖縄に伝わるフチャギを大勢で作れば楽しいと思い、沖縄の伝統菓子を販売するお店で開催されたフチャギ作りワークショップに参加してきました。
沖縄において、フチャギはお月見団子であると同時に、収穫への感謝を表す食べ物でもあります。
古来沖縄では、旧暦の八月十五日(十五夜)に「十五夜の月御願」とも呼ばれる行事があり、仏壇やヒヌカン(火の神)にフチャギとごちそうを供え、農作への感謝と次の農耕への期待を込めて祈りを捧げてきました。
お餅を月に例え、小豆を星に例えた狂歌も残っているようです。
星に見立てた小豆には、さまざまな種類のものがありますので、今月は小豆をご紹介します。
まずは名前の由来から。江戸時代の学者、貝原益軒の「大和本草」によれば、「あ」は「赤色」、「つき」及び「ずき」は「溶ける」の意味があり、赤くて煮ると皮が破れて豆が崩れやすいことから「あずき」になったとされています。
また日本や中国、朝鮮では、小豆の赤色に魔除けなどの神秘的な力があると信じられており、行事や儀式などに供されてきました。
小豆の中で特に大粒な品種は「大納言」と呼ばれていますが、粒が大きいだけでなく、煮たときに皮が破れにくい特徴を持ち、いわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、切腹の習慣がない公卿の官位である「大納言」と名付けられたと言われています。
その他、俵のような豆の形が、大納言が被っていた烏帽子に似ているためという説もあるようです。
日本三大小豆の産地と言えば、北海道、丹波、そして備中で、最大の産地は北海道。
実に国産大豆の8割以上は北海道産です。
一般的に流通している各地の大納言品種を見てみますと、北海道では「エリモショウズ」「きたのおとめ」「きたろまん」「しゅまり」「とよみ大納言」等、丹波では「丹波大納言」「馬路大納言」、備中では「備中大納言」が多いようです。
それぞれ大きさや渋み、豆そのものの味わいに違いがあるので、自分好みの小豆を見つけてみるのも楽しいのではないでしょうか。
なお、下準備の方法もさまざまで、一般的な手順とされる浸水や茹でこぼしが不要なものもあるようです。
袋に記載の茹で方をご参考くださいね。
津波真澄 Instagram: https://www.instagram.com/masumitsuha/