野菜ソムリエプロの當間好乃の「今が旬のお豆さん!うずら豆」

寒中お見舞い申し上げます。
野菜ソムリエプロの當間好乃です。
沖縄では春の陽気とともに本島、離島各地でスポーツ関係のキャンプが行われ、選手やたくさんのファンや関係者で賑わっています。
多くのお野菜達も旬を迎え、道の駅では色とりどりの野菜が所狭しと並び、賑わいを見せています。
この時期のお野菜は美味しさももちろんですが、生命力溢れるそのさまは実に見事で、眺めているだけで元気をもらえます。

今回、私がご紹介したいのは今まさに旬を迎えている「うずら豆」です。
沖縄ではこの時期にだけ、さやごと入った生の「うずら豆」が出回ります。

うずら豆といえば「うずら豆ご飯」が我が家人気の定番メニューです
。ご飯と一緒に炊き上げると、この時期限定の「うずら豆」の旨味と口に入れた時のなんとも言えない香ばしさを味わうことができます。
他にも煮物や甘煮にしても美味しいですよ。

さて、「うずら豆」は中南米原産のマメ科、インゲンマメ属です。
インゲンマメの仲間は多く、沖縄ぜんざいでお馴染みの金時豆、レッドキドニーや白花豆、紫花豆なども同じインゲンマメ属になります。
日本への渡来は17世紀の中頃、中国から隠元禅師によってもたらされその名に因んで「隠元豆(インゲンマメ)」と呼ばれるようになったと伝えられていますが、実はそれは「フジマメ」という別の種類の豆であったという説もあります。
日本での本格的な「インゲンマメ」の栽培は北海道の開拓が始まる明治になってからで、アメリカ産の種子が輸入され現在の北海道大学の前身、札幌農学校で栽培されたのが始まりだそうです。

見た目が鶉(うずら)の卵の模様と似ていることからその名が付いたこの「うずら豆」。
赤紫色のお洒落な斑紋はポリフェノールで強い抗酸化作用があり、老化防止、疲労回復が期待できます。
その他増血のビタミンといわれる葉酸、活力増進に寄与するビタミンB群や鉄分も多く含みます。
また免疫力を維持しタンパク質の合成を助ける亜鉛はほうれん草の約3倍、食物繊維はタケノコの5~6倍あるといわれています。

また特記すべきは、マメ科の植物の根に共生する根粒菌が、土壌の肥沃度の維持、向上を担っているということです。
その観点からもマメ科の植物は重要な作物としても大きな役割を果たしています。
昔から「お豆さん」と呼んで親しまれ、大事にされてきた意味がここにもあるような気がします。
「お豆さん」は、私たち人類の健康にとっても大切な、また土壌環境、ひいては地球環境にも優しい作物なんですね。毎日の食卓で大事にしっかり食べて行きたいです。

世界には美味しい豆料理がたくさんあります。
正しく美味しく「お豆さん」を頂きましょう。
因みに私はトルコ料理のひよこ豆のスープも大好きです。

注意!
完熟の生のインゲンマメはレクチンという毒素を含みます。
加熱が十分でないと中毒症状を引き起こす場合もあります。
沸騰状態で10分以上は加熱しましょう。

<我が家流うずら豆ご飯>
材 料:米3合、うずら豆1カップ、塩少々、お酒大さじ1、水3カップ(お好みで+α)
作り方:いつものご飯を炊く要領で上の材料を一緒に入れて炊くだけです。

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