今回は産地レポートをお届けします!
沖縄本島の中央部、やんばるの入り口に位置する宜野座村。
その豊かな自然の中にピィパーズ畑「願寿農園」があります。
園主の大城さんが迎えてくれました。
ピィパーズは、コショウ科コショウ属の植物で、和名をヒハツモドキ、別名ジャワナガコショウ。
甘い香りと爽やかな辛みをもち、八重山地方を中心に栽培され親しまれてきた島コショウです。
赤い実を乾燥させ粉砕したものが香辛料としてよく使われ、近年沖縄本島でも人気が高まっています。
ピィパーズは石垣島の呼び名のひとつ。
八重山地方ではピパーツ、ピーヤシ、チバチー、沖縄本島ではヒハチ、フィファチなどの方言で呼ばれています。
大城さんは、ピィパーズの健康効果に興味を持ち、後に、ピィパーズの普及、生産の拡大に取り組み、沖縄ブランドとして確立することを目指し設立された沖縄県ピィパーズ生産推進協議会の一員となったのをきっかけに、ピィパーズの魅力にはまり、2年ほど前から本格的に栽培を始めました。
農地は、国頭マージと呼ばれる酸性の粘性土に、堆肥と軽石を混ぜ込み土作りをしています。
軽石は土の水捌けがよくなり、保水力もある「これは畑で大活躍する!」と、2021年に沖縄の海岸へ大量に漂着した軽石を有効利用しています。
また、軽石を混ぜた土はとても成長がよく、そのおかげか植えつけから順調に生育し生産量も安定してきているといいます。
青々と繁ったピィパーズのトンネルには、青実がたくさん実っていて、8分程度赤実になると収穫が可能。
7月から翌年2月頃まで長い期間収穫できます。
熟しすぎると柔らかくなり商品になりませんが、赤い部分を洗い流すと白コショウとして活用できます。
手間ひまがかかるため商品化は難しいそう。
栽培にはまだまだ試行錯誤中、実験しながらの毎日ですが「農業が楽しい」と笑顔で話す大城さん。
まずは「多くの方に知って味わって欲しい!」と、赤実の料理活用の発信や、加工開発にも力を入れ、商品化などたくさんの夢を描いています。
夢の実現に向け突き進む大城さんのこれからの活躍に注目していきたいと思います。
来月も願寿農園さんのご紹介、ピィパーズの健康効果、料理への活用法などをお届けします。
願寿農園 Instagram @ganju_noen
農園の様子やピィパーズを使った料理などを発信中!