野菜ソムリエプロ當間好乃の「沖縄の風物詩ちんぬく」

夜風も冷たく感じる今日この頃、沖縄の道の駅やスーパーの県産野菜コーナーなどでも見かけるようになった「ちんぬく」。
沖縄の方言で「鶴の子」の意味だそう。
私の大好きな沖縄民謡「ちんぬくじゅーしー」にも歌われています。
その「ちんぬく」とは里芋のこと。

里芋といえば一般によく目にする小ぶりで丸みのある「石川早生」や「土垂(どだれ)」が主な品種ですが、
「ちんぬく」は小ぶりの子芋から細長い棒状のものまで様々あり、「京いも」や「えび芋」によく似ています。
きめ細やかなネットリ感とホクホク感のバランスが絶妙です。

芋特有の粘り成分であるガラクタンや、コンニャクの主成分であるグルコマンナンといった水溶性食物繊維を多く含むため、
腸内環境を整え、糖質の吸収を穏やかにして血糖値の上昇を抑えるといった効果が期待されます。
また、他のイモ類や野菜に比べて、より多くのカリウムを含むため、高血圧の予防やむくみの改善が期待できます。
ただし腎臓機能が低下している方には注意が必要な食材でもあります。

私は「ちんぬくじゅーしー」も大好きですが、急に寒くなった今日は、昆布と椎茸、根菜だけの出汁でけんちん汁にしました。
あらかじめ蒸しておいた「ちんぬく※」と手作りの白味噌とを合わせて仕上げました。
なんとも滋味深く、身体に沁みました。
土地の恵み、自然の恵みに感謝ですね。

※ 調理する際は、かぶれ防止の為、皮ごと蒸すか茹でた後に皮を剥いてお使いになるのをお勧めいたします。

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