野菜ソムリエ上級プロ堀基子の「台風6号の大打撃!ぐしちゃん銀バナナ農園の被害レポート」

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代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、このメンバーブログを通じて、一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。

私がずっと応援している「ぐしちゃん銀バナナ」は、バナナ栽培歴30年を数える久保さんが、家族で営む小さな農園で栽培している、ちょっと小ぶりで、ずんぐりとした姿が愛らしい、ナムアヌアン系のバナナ。
濃厚な甘み、爽やかな酸味、華やかでフルーティな香り、もっちりとした食感が、それは美味なバナナです。

亜熱帯の沖縄でのびのびと育てられている、ぐしちゃん銀バナナですが、昨年の9月には、なんと4回も台風が接近し、3か所ある畑の1か所では、収穫を待つバナナの木がすべて折れて倒れ、100キロ以上が出荷できなくなるという甚大な被害を受けました。
それでも、その後、手入れを重ね、少しずつ少しずつ畑を整備して、「今年の夏こそは!」と久保さん一家は栽培に力を注いできました。

しかし、先日、台風6号が沖縄本島を直撃し、8月1日の午前4時30分に暴風警報が発表され、ぐしちゃん銀バナナ農園は2日間にわたって激しい暴風雨にさらされ続けることになりました。
真夏の沖縄の海で思う存分に力を蓄えた台風6号は、ジョギング程度の速度でノロノロと沖縄本島を蹂躙し、8月2日の未明には那覇市や南城市で最大瞬間風速が50mを超えました。
ニュースでご覧になった方も多いと思いますが、駐車場の自動車が横転し、建物や看板が倒壊し、樹齢100年もの樹木が根こそぎ倒されるほどの暴風雨でした。
沖縄本島の南端に位置するぐしちゃん銀バナナ農園も、この50m級の暴風にさらされ、海にほど近いため、塩害も受けることとなりました。
沖縄県内の約1/3が停電の被害を受ける中、ぐしちゃん銀バナナ農園も停電が続いたといいます。

8月3日の未明、ようやく台風が沖縄本島を抜け、44時間ぶりに暴風警報が解除されて、久保さん家族がバナナ畑に駆け付けると、3つの畑はすべて壊滅的な状態でした。
ジャングルのように青々と大きな葉を広げて茂っていたバナナの木々は1本残らずなぎ倒され、収穫を待つ青い実は幹ごとへし折られて、倒れたバナナの木と葉で畑の地面さえ見えない状態だったといいます。

せめて少しでも倒れた木を片付け、救えるバナナの実を救いたい……そんな願いさえ踏みにじるかのように、この台風6号は進路をUターンさせ、8月4日の午後3時23分、沖縄本島に再びの暴風警報が発表されました。

その後も8月6日の午前4時28分に暴風警報が解除されるまで、ずっと激しい雨と風が続き、ようやく暴風警報が解除となっても、今度は線状降水帯による豪雨が降り続いて、台風一過の青空を望むことができたのは、およそ10日ぶりの8月10日のことでした。

久しぶりの青空が広がったこの日、私はぐしちゃん銀バナナ農園の畑を訪れました。
炎天下の中、農園の管理を担当する文乃さんが黙々と畑の作業を進めていました。
斜面に広がる畑の敷地は、長時間にわたって降り続いた豪雨の水分を含んで緩んでおり、足を踏み入れることさえ危険な場所もあるため、作業は容易ではありません。
「どこが地面で、どこがバナナの幹か分からないので、足元に気をつけてくださいね」と文乃さん。
折れたバナナの幹は1mほどに切られ、畑の斜面に敷き詰められており、この先、数か月をかけて自然分解されるのを待つのだそうです。
3mを超える大きな木も、日差しを遮ってくれる大きな青い葉も、すべて無くなってしまった農園の頭上には、ただぽっかりと青い空が広がっていました。

なぎ倒された幹の間には、まだまだ収穫には早く、成長の途中だった細く小ぶりなバナナの房が、いくつも横たわっていました。
あの台風さえ来なければ、せめてUターンしなければ、大きく見事に実り、誰かを笑顔にしたであろうバナナです。
なんとも惨いその姿に、思わず胸が痛くなりました。

「でもね、バナナって生命力がすごく強いんですよ。ほら、折れた断面から、もう新しい葉が伸びてきているんです」。
文乃さんが指さす先には、青空に向かって鮮やかな緑色の葉を伸ばすバナナの姿がありました。
よく見ると、あちらこちらの折れた幹から、太陽に向かって緑の葉が突き出しています。
その姿を見ているうちに、だんだん目頭が熱くなってきました。

この葉がぐんぐん伸びて、次々に大きな葉が成長してくれたら、来春あたりにはバナナが実り始めるはず。
そして、来夏の亜熱帯の太陽を浴びて、光合成でたっぷりと栄養を蓄えたら、待ちに待った最高のバナナが育つはず。
芽吹き始めた若い葉を愛おしそうに見つめながら、もう文乃さんはうつむくことなく前を向いていました。

畑を後にする際、「皮が汚れて傷ついてしまっているんですが、これが今年最後の収穫です」と、貴重な貴重なバナナをいただきました。
台風銀座の沖縄でも、まれに見るあの強烈な台風の中を生き延びた、まさにド根性バナナです。
果皮についたその傷跡さえ、まるで誇らしげな勲章のように見えます。

台風の甚大な被害を受けて苦しむ農家さんのそばで、地元の野菜ソムリエでありながら何もできない自分の無力さを痛感しながら、今の自分にできることを考えた結果、書いて伝えるライターである私だからできることは、今回の被害の様子をしっかりと自分の目で見て、農家さんのお話を聞いて、記録に残し、伝えることだと思いました。
だから、これからも畑に足を運び、復興に向けて全力で取り組む、ぐしちゃん銀バナナ農園の皆さんを、精一杯、応援し続けたいと思っています。

台風7号が接近中のエリアの皆様、どうかくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ。
これから秋まではまだまだ台風が発生するかもしれませんので、皆様どうか油断なさらず、対策を心がけてくださいませね。
今後の台風による被害が大きくなりませんように、心から祈っております。

ぐしちゃん銀バナナの最新情報はこちらから!
https://ginbanana.com/

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
次回もまたどうぞお楽しみに!

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