ベジコラボOkinawaのメンバーブログへようこそ!
代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、
このメンバーブログを通じて、
一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。
皆さんは沖縄産フルーツというと、何を思い浮かべますか?
マンゴー、パイナップル、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、スターフルーツ……。
そうそうたるトロピカルフルーツの中で、忘れられがちなのがバナナです。
沖縄には古くから愛されてきた島バナナがあります。
明治21年に導入された小笠原種がそのルーツといわれ、
おなじみのフィリピンバナナよりも小ぶりで、
フレッシュな甘みとほのかな酸味のハーモニーが素晴らしい、それは美味なバナナです。
島バナナは、畑や庭の隅に数本だけ植えられていることが多く、
ほとんどが自家消費され、直売所の店頭に並ぶ程度しか栽培されていません。
この島バナナに魅せられ、30年前から栽培に取り組んできたのが、久保栄さんです。
栄さんはずっと島バナナを作り続けてきましたが、病害虫に弱く、悩んでいたところ、13年前に銀バナナと出逢いました。
銀バナナは、栽培希少種のナムワヌアン系バナナの一種で、未熟な実の表面が太陽光で銀白色に見えることから、この名が付いたのだそうです。
島バナナよりもずんぐりと太く、病害虫に強く、バナナ特有の臭みがなくフルーティな香りで、濃厚な甘みをやさしい酸味が引き立てて、それは驚くほど美味でした。
このずば抜けた美味しさに惚れ込んだ栄さんは、以来、銀バナナ一筋に栽培を続けてきました。
この栄さんの情熱に共感した娘の文乃さんは、勤めていた観光農園を退職し、父と二人三脚で銀バナナ栽培に取り組んでいます。
「他とは比べものにならないこのバナナの美味しさを、一人でも多くの人に知って欲しい」。
そんな願いをこめて、農園のある沖縄本島南部の八重瀬町具志頭(「ぐしかみ」は地元では「ぐしちゃん」の愛称で呼ばれています)の名を冠し、「ぐしちゃん銀バナナ」と名付けました。
農園直送の通信販売も少しずつファンが増え、東京の高級スーパーへの出荷も決まり、ホッとしたのもつかの間。
今年の夏の台風で、ぐしちゃん銀バナナは甚大な被害を受けました。
3つある畑のひとつでは、収穫を待つバナナがすべて暴風でなぎ倒されてしまったのです。
このとき、台風で落ちてしまった大量のバナナの救済法について相談を受けたのが、私と久保さんファミリーの出逢いとなりました。
以来、私自身、何度も畑へ足を運び、バナナ栽培の現状を見学させていただき、心から応援したいと思うようになったのです。
そこで、今日から半年間にわたり、私が担当するこのベジコラボokinawaのメンバーブログで、「ぐしちゃん銀バナナ」の栽培の様子やオリジナルレシピなどをご紹介してまいりたいと思います。
ちなみに、台風の被害を受けた畑は、すっかり整備され、新しいバナナたちがすくすくと育っています。
畑の片隅に積み上げられて自然分解を待つ、台風で倒されて朽ちたバナナの幹や葉の山からは、いつしか新しいバナナの苗が顔をのぞかせ、その生命力の強さを見せつけてくれています。
今は株間の広く閑散として見えるこの畑も、いずれは成長したバナナがずらりと並び、収穫のときを迎えます。
その日まで、私もずっと見守っていきたいと思っております。
3日後のメンバーブログでは「ぐしちゃん銀バナナ」を楽しむオリジナルレシピを、来月は収穫間近の畑の様子をお伝えしますので、どうぞお楽しみに!
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
次回もまたどうぞよろしくお願いいたします。