野菜ソムリエプロ當間好乃の「キクイモ(菊芋)の魅力」

このゴツゴツとした、生姜のような里芋のような、なんとも可愛らしいこのお野菜!
道の駅などで見かけた方も多いと思います。

菊芋は実は北アメリカ原産の外来種で、キク科ヒマワリ属の多年草。その塊茎を食します。
日本には江戸時代末期に飼料用の作物として入ってきましたが、病害虫にも強く繁殖力も強い強壮な植物でもあり、1772年にヨーロッパ中で起こった飢饉の際に活躍し、多くの人々に浸透していったそうです。

その特記すべき菊芋の魅力は、何と言っても先ずは天然のインスリンとも言われる「イヌリン」。そして、カリウム(610mg/100g※)。
更には低カロリー(35kcal/100g※ )ということです(七訂日本食品標準成分表より)。
イヌリンは水溶性食物繊維で血糖値の急上昇を抑える働きがあり、血糖値の気になる方やダイエットに効果的であると言えます。
またカリウムはよく知られている通り、塩分を取り除く作用があるので高血圧やむくみの予防に効果が期待できます。
ただし、里芋と同様、腎機能に障害のある方は分量に注意する必要があります。
しかもカロリーはジャガイモの約半分ということで生活習慣病の予防、改善には是非利用していただきたい食材です。

私はただ単に健康に良いからではなく、菊芋の食材としての魅力にも注目して欲しいと思っています。
菊芋の持つ素朴なゴボウをほのかに思わせるような柔らかな土の香りと、シャキシャキとした食感がたまらなく好きです。
煮るとホクホク感も楽しめます。味自体は癖がなく淡白なので、いろいろな食材と調理法で楽しめます。
ただしイヌリンは加熱しすぎると成分が減少してしまうので、イヌリンを効率良く摂取したい場合は、生のまま、もしくは短時間の調理での加熱が良いでしょう。

私はよく人参と合わせて皮ごときんぴらにしますが、シャキシャキ感を大事にしたいので、先に人参に火を通してから最後にサッと炒め合わせる程度にします。
我が家ではこの時期の人気の定番メニューです。

今が旬の菊芋を是非お楽しみください。

カテゴリー

PAGE TOP