野菜ソムリエ上級プロ堀基子の「沖縄本島産のパインはなぜやんばる産?」

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代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、このメンバーブログを通じて、一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。

沖縄では今、パイナップルが旬を迎えています。
その歴史は意外と古く、江戸時代末期の1866年、石垣島の沖で座礁したオランダ船から、マンタで有名な川平湾に、パイナップルの苗が漂着したのが、その伝来といわれています。

パイナップルは沖縄を代表するトロピカルフルーツですが、沖縄県内どこでも栽培されているわけではなく、主な産地は、やんばると呼ばれる沖縄本島北部と、石垣島、西表島など。
それはどうしてなのでしょうか?

沖縄の土壌は、大きく分類すると、沖縄本島北部や八重山群島に分布する酸性の赤土の「国頭マージ」、沖縄本島中南部や宮古群島に分布する古代の珊瑚の化石である琉球石灰岩から生まれたアルカリ性の「島尻マージ」、同じく沖縄本島中南部や宮古群島に分布する泥灰岩からできたアルカリ性の「ジャーガル」などに分かれます。

パイナップルは酸性土壌を好むため、「国頭マージ」が分布する沖縄本島北部、石垣島、西表島などで主に栽培されているわけです。
写真は沖縄本島北部の東村にあるパイナップル生産者さんの畑ですが、やはり特有の赤土の土壌でした。

やんばると呼ばれる沖縄本島北部は「国頭マージ」の土壌のエリアが多く、パイナップルの他にも、シークヮーサーやタンカンなどの柑橘類、赤土だいこんなど、酸性土壌を好む様々な作物が栽培されています。

ちなみに、美ら海水族館のある本部半島のほぼ中央に位置する「よへなあじさい園」が、今ちょうど見頃を迎えていますが、山の斜面に広がる紫陽花は、見事なブルーのグラデーションです。
紫陽花が青い色になるのも、土壌が酸性だからなのでしょうね。

まもなく梅雨が明け、夏本番を迎える沖縄では、パイナップルが直売所などの店頭に並び、甘い香りで行き交う人を誘います。
この夏、沖縄を旅する機会がありましたら、ぜひそれぞれに個性あふれる品種のパイナップルの食べ比べを楽しんでみてくださいね。
大玉で糖度が高い沖縄県産パイナップルの最高峰「ゴールドバレル」、沖縄産パイナップルの代表品種「ハワイ種(スムースカイエン/N67-10)」、ほのかに桃のような香りを感じる「ピーチパイン(ソフトタッチ)」、果肉を手でちぎって食べられる「スナックパイン(ボゴール)」など、多彩な品種があなたのご来沖をお待ちしております。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
次回もまたどうぞお楽しみに!

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