野菜ソムリエ上級プロ堀基子の「ぐしちゃん銀バナナの畑から~収穫後の親株の行方~」

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代表の野菜ソムリエ上級プロ堀基子です。
メンバーが3日おきにフレッシュな情報をお届けする、このメンバーブログを通じて、一人一人の得意分野や個性を知っていただけたらと存じます。

私が応援している沖縄産「ぐしちゃん銀バナナ」。
本日は、その収穫の様子をお伝えします。

新芽から約2年をかけて収穫の日を迎えた、ぐしちゃん銀バナナ。
1株に一度しか実がならないため、収穫後はその幹を切り倒します。
「頑張ってきたのに、そんなのかわいそう!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、バナナの一生には続きがあるのです。

以前もお伝えしましたが、バナナは木のように見えますが、仮茎と呼ばれるその幹は、葉が重なり合ってできています。
そして、1株を植えると、その周囲に吸芽と呼ばれる子株が出てきます。
この子株が次々と育ち、やがて花をつけ、バナナを実らせます。
収穫後の親株の茎を切り倒すことで、親株の周囲で成長する子株の根元にゆとりができ、よりしっかりと栄養を吸収できるようになります。
また、親株の巨大な葉が無くなると、太陽の光をたっぷりと浴びることができ、光合成で生まれた栄養分を果実に蓄積して、子株の実がより甘く美味しくなるのです。

沖縄の亜熱帯の太陽の下、すくすくと成長し、花をつけ、実をつけ、子株へと居場所を譲り、生命を繋いで、その一生を全うするバナナ。
その豊かな実りに感謝して、大切に美味しくいただこうと、改めて実感しました。

さて、切り倒された茎ですが、ぐしちゃん銀バナナ農園では、畑の中にそのまま寝かせてあります。
葉が重なり合っているだけなので、半年も経つと、足で踏むとフワッとつぶれるほど柔らかく分解され、やがて自然に還ります。

このバナナの茎ですが、中心の芯の部分は、東南アジアなどでは食材として活用されているとのこと。
さっそく切り倒した仮茎を、むいて、むいて……クセのない味で、筍の硬い部分に似た食感!
薄くスライスして、アク抜きして、グリーンカレーなどに使ったら美味しいかも‼

ちなみに、世界中で伐採されるバナナの茎の繊維は、年間で約10億トンにもなるのだそうです。
今、このバナナの繊維が、コットン、ウール、リネン、シルクに次ぐ第5の天然繊維として注目されているのだとか。
バナナクロスととばれる生地になり、帆布やデニム、Tシャツ、ソックスなど、様々な商品が誕生しているといいます。
また、バナナペーパーとして製紙に利用されることもあり、日本でも取り入れている企業があります。
廃棄されるバナナの繊維の活用は、SDGsやフェアトレードにもつながる活動として、熱い期待が寄せられています。

ここ沖縄県には、バナナと同じバショウ科バショウ属に分類される糸芭蕉の繊維から生み出される伝統工芸品「芭蕉布」があります。
透けるほど薄く軽やかで、よく風を通し、さらりとした肌ざわりを持つ芭蕉布は、亜熱帯の沖縄で古くから愛されてきました。
琉球王朝時代には王族や貴族が身に着け、江戸幕府への献上品ともなったそうです。
第二次世界大戦で一度は途絶えかけたその伝統技法ですが、戦後に復興を願う人々の手で蘇り、現在は国の重要無形文化財として大切に扱われています。
そんな沖縄ならではの芭蕉布の歴史も踏まえ、沖縄産バナナの繊維を生かし、エシカルで素敵な商品ができたらいいのになぁ~と夢みる気持ちになります。

さて、沖縄は海開きのシーズンを迎え、初夏を思わせる陽気の日が続いています。
ぐしちゃん銀バナナ農園のバナナたちも、降り注ぐ太陽の光を浴びて、ずんぐりムチムチに成長中です。

ぐしちゃん銀バナナを召し上がってみたい方は、こちらからお取り寄せできます!
https://ginbanana.com/

3日後のメンバーブログでは「ぐしちゃん銀バナナ」を楽しむオリジナルレシピをご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
次回もまたどうぞよろしくお願いいたします。


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