野菜ソムリエプロ當間好乃の「見た目じゃないのよ!中は色白、爽やかさん!!モーウイ」

赤茶色のカサカサした表面にナイフを入れると、目の覚めるような真っ白なお顔。
わぁと思った瞬間、あたり一面なんとも爽やかでフルーティな香りが漂います。
そんなギャップ萌え!?(笑)の「モーウイ」です。

「モーウイ」は沖縄の伝統的農産物の一つで、古くから親しまれてきた野菜。
「モー」は野原や毛の意。「ウイ」は瓜の意です。
赤毛瓜、赤瓜、毛瓜とも呼ばれています。
原産はインド西部、ウリ科の植物でキュウリと同じ仲間です。

沖縄には15世紀に中国華南地方から持ち込まれ、琉球王朝時代の宮廷料理の食材として使われ、のちに一般にも多く広まりました。
耐暑性が極めて強く、強風にも強く栽培も容易なため、台風の多い沖縄では先人たちの食や健康を大いに支えてきたことと思います。

戦時中、祖母が甕いっぱいにモーウイを黒砂糖と一緒に漬け込んでいて、そのおかげで飢えをしのいだという話を、母は今でもよく話します。
沖縄のそれぞれのご家庭にもモーウイにまつわる思い出がきっとあるんだろうなと思います。

「モーウイ」の持つ栄養成分は夏バテ防止や高血圧の予防・改善に良いとされるカリウムを多く含み、ビタミンC、カルシウム、やマグネシウムなども含みます。
クセもなく青臭さもないので、生をスライスしてサラダや和物に、またイリチーやンブシーや汁物の具としても食味を違えて、あらゆる調理法で、存分に楽しめる食材です。

その時の体調やその時にご自身が食べたい調理法でお試し頂けたらと思います。

私はスライスしたモーウイを油で炒め、出汁を足しながら炒り付けて仕上げるイリチー(炒り付けから転訛)が大好きです。
でも今日はフレッシュで食べたくなったので、冷蔵庫にあったパプリカと翡翠色のアップルゴーヤーと一緒にサラダでいただきます。
ツナを乗っけてポン酢醤油で食べようかな?

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